日本人の6割には効果なしの減塩による降圧効果

塩分は高血圧の要因という考えが広く浸透して、減塩が一種のブームになっています。しかし、減塩=血圧低下につながるのは日本人の約4割程度。

1日15g摂っても血圧と関係ないという説もあるほどです。塩分の摂りすぎが体に悪いのはもちろんだが、減塩はどこまで必要なのでしょうか?

減塩の効果があるのは食塩感受性の人

巷は減塩ブームです。いわく、「塩分は高血監のもと」「和食は洋食に比べて塩分が高いので要注意」などなど。確かに、高血圧は動脈硬化を引き起こす可能性があり、脳梗塞や心筋梗塞などの危険性につながるため、出来得る限り回避したいのは言うまでもありません。
減塩で血圧が低くなるなら頑張って食事療法を続けるかいもあるというものです。とはいえ、必ずしも減塩→血圧低下につながるわけではないことをご存じでしょうか。

実は、高血圧には遺伝的に「食塩感受性」と「食塩非感受性」の2種類があり、摂取した塩分量が血圧に顕著に結び付くのは、このうち食塩感受性の人のみだということがわかっています(東京大学医学部藤田敏郎敦授・1995年)。

つまり、日本人に約4割はいるといわれる食塩感受性の人には減塩効果があるものの、それ以外の人には効果が薄いのです。

ならば個々の体質に合わせれば良いのですが、残念ながら現時点では簡単・確実・安価に調べる方法が見つかっていないため、とりあえず減塩を勧めているわけです。

ただ、糖尿病、肥満、メタポリック症候群、慢性腎臓病などの人は、遺伝的特質にかかわらず食塩摂取によって血圧が上がりやすいため、通常より厳しい減塩が求められます。

だが、食塩摂取白重は下げれば下げるほど良いわけではないのです。塩は体内水分の循環には欠かせないものであり、過度に減らすとかえって体調を悪くしてしまいます。

特に、体内の食塩量を調節する能力が落ちている高齢者は、時として減塩によって脱水や腎機能低下を引き起こすこともあるのです。また、スポーツマンや肉体労働者など汗をかきやすい人も要注意。排尿はもちろんのこと発汗にも塩分を必要とするため、知らず知らずのうちに塩分不足となる可能性があります。

では、適切な食塩量とはどれくらいなのか。厚生労働省による健康づくりのガイドライン「健康日本21」では、1日あたりの食塩摂取量を10g未満が良いとしています。

平均的な日本人の摂取量は11~13g ですから、この基准に照らすと若干の減塩が必要です。しかし、実際には年齢・生活形態はもちろんのこと、遺伝的要因や体質、持病などによっても変わってくるため、全日本人に共通した適度な摂取量は存在しないのです。

減塩=血圧低下の考えに「待った!」

実は、食塩摂取量と高血圧との因果関係自体を疑問視する声も上がっているのです。1988年に発表された大規模調査インターソルト・スタディ(32カ国、52センター、1万79人を対象とした国際調査)によると、極端な低塩食集団を除いた、1日食塩摂取量6~15g の集団では摂取量と高血圧との間に因果関係が認められなかったのです。

これを以て即、減塩の必要なしとするわけではないが、健常者の場合は減塩にそこまで過敏にならなくてもよい、という見方が出始めているのも事実です。

とくに、医食同源、五味調和を唱える東洋医学においては「過度な減塩は身体に悪い」という見解があります。なにごともほどほどが肝要。ブームに乗せられてかえって体内バランスを崩すことがないようにしましょう。

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