涙の原因物質硫化アリルに効果
たまねぎを切ると、目がしみて涙が出ますが、これはたまねぎに含まれる硫化アリルというイオウ化合物によるもの。しくしくと目にしみるのは因ってしまいますが、この硫化アリルには血栓の生成を抑えて動脈硬化を予防する効果があり、血圧の上昇を防ぐのに役立ちます。しかし、この効能は加熱すると損なわれてしまいますので、水に2 、3 分程度さらして生食するのがよいでしょう。ただし、切って15分以上おいておけば、酵素の働きによって加熱に強い成分に変化します。加熱するなら、切った後、しばらく置いてから調理するとよいでしょう。
ケルセチンに血圧降下作用がある
高血圧予防に期待できるたまねぎの有効成分は、皮の黄色い部分にも含まれています。この皮の黄色には、色素成分であるケルセチンというポリフェノールが含まれています。ケルセチンには、ビタミンC やEをしのぐ抗酸化作用があり、血液をサラサラにしたり血管を丈夫にするのに役立ちます。また最近の研究によれば、たまねぎには、体内で体の機能を調整するプロスタグランディンと同じ働きをする成分が含まれることが認められており、血圧そのものを下げる効果があるといわれています。
抗酸化、血圧降下作用の高い皮の部分も、捨てずに有効利用したいものです。しかし、皮の部分をそのまま食べることはできませんので、皮つきのまままるごと煮るなど、スープやみそ汁のだしとして用いるとよいでしょう。
1日4分の1個食べよう
このほか、たまねぎには肝機能を強くしたり、整腸作用を促したり、不眠を解消するといったさまざまな効果があり、健康の維持、増進のために積極的に取り入れることをおすすめします。とくになんらかの生活習慣病を患っている人は、毎日食べることが望ましいといえます。できれば1日50 g=4分の1個、いろいろな料理法でいただくとよいでしょう。
血圧を下げるための降圧食「たまねぎで血管をしなやかに」でもケルセチッはポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用を持っていると紹介されています。
ケルセチンは熱に強いので、タマネギを炒めたり、焼いたり、揚げたりするのはお勧めだそうです。