合併症がある場合の食事

動脈硬化がある場合

動脈硬化は、高血圧の原因となり結果ともなるという密接な因果関係にあるのですが、血管の老化現象であり高血圧とは全く性質の違う現象です。しかし、原因にしても結果にしても、高血圧が動脈硬化を伴うことが多いのは間違いありません。

動脈硬化の直接の原因となっているのはコレステロールなのですが、これは食物中の脂肪(特に動物性脂肪)の主成分の飽和脂肪酸によるもので、動物性脂肪を多く摂取すると血液中のコレステロール濃度が高くなります。ですから、動脈硬化を伴った高血圧の人は、動物性脂肪を制限しなければなりません。

カロリーを抑える

動脈硬化を伴っているとき、さらに肥満だと好ましくないので、肥満を防ぐよう心がける必要があります。成人の一日の所要カロリーは、年齢や性別、個人の健康状態や労働状態によっても違いますが、所要カロリーよりも少なめに抑えます。カロリー源として一番問題になるのはコレステロールを多く含む動物性脂肪なので、できるだけ控えましょう。

糖質を控える

ごはん、うどん、パンなどの主食や芋類、菓子類は糖質性の食品で、これらも控えるようにします。主食に適当なのは、ルチンという物質を含む蕎麦(そば)です。ルチンには、血管を強くしたり血圧を下げる働きがあります。ただし糖質性の食品には違いありませんから、食べ過ぎには注意しましょう。

塩分・香辛料を控える

食塩はもちろん制限が必要になります。調味料としての塩だけでなく、塩分の多い食品もできるだけ避けます。また、刺激の強い香辛料も控えるようにしましょう。

腎臓病がある場合

高血圧に腎臓病が合併していることは多く見られますが、この場合、腎臓病の治療を行わない限り高血圧は解消されません。医師の指示に従い腎臓病の食事療法を続けないといけませんが、腎臓病の種類によって次のように多少違いがあります。

急性腎炎の場合には

症状に応じて、塩分、水分、たんぱく質を制限します。カロリーの摂取も減らします。急性期の制限はかなり厳しく行います。発病後1週間ほど経過して急性期を過ぎると、食事制限が緩められます。回復期には、塩分制限以外、ほぼ通常程度の食事ができます。

慢性腎炎の場合には

急性のような激しい症状はみられないので、それほど厳しい制限は必要ありません。カロリーも普段どおりでよいです。あまり厳しくすると、食欲不振になったり、栄養障害を起こしたりすることがあり、かえってマイナスになります。

ネフローゼの場合には

たんぱく尿と浮腫(むくみ)が主な症状のネフローゼでは、腎炎と比べ、たんぱく質はそれほど制限することはありません。水分は、浮腫がひどいときには制限します。前日の尿量に応じて変更されます。

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